アトピー・食物アレルギーを乗り越えて(OMさん)

基礎科前期レポート                    

 

4歳の息子は、3歳の時にアトピーを発症しました。

続いて2歳の息子は、生後4ヶ月の時に食物アレルギーと診断され、特に乳・卵・小麦・大豆に強い陽性反応を示しました。乳製品でアナフィラキシーを起こしたり、アトピーで入院も経験しました。

生活は、かなり過酷なもので、次男が生まれてからは3時間以上続けて睡眠をとったことはありませんでした。次男を掻き毟らないように「さらし」で「ミノムシ」みたいにグルグル巻きにしながら、長男の体を1時間掻いてあげたり、血だらけのパジャマやシーツを毎日のように洗う日々でした。

 

私も、次男に母乳をあげている間は食物制限をしていて、料理はアレルゲンが混ざらないように常に調理器具を2つに分けて調理していました。子供が生まれる前の自分の食生活は、とにかくパンとカフェオレが好きで、甘いものもかなり食べていました。そして、便秘体質でした。私が大好きだったもの全てにアレルギー反応を示す我が子・・・、この事実によって、初めて食べ物の影響ということに気付かされました。

 

食物制限を続けながら、大学病院と皮膚科に通う日々が1年続いた頃、私は半分ノイローゼーになりかけていて『あれダメ・これダメ』と、自分と息子を縛り付けていました。

そんな時に、岡田先生の教室に通っている知人から本を紹介され、『ハッピー』と『らくらく』の本を熟読し、レシピを即実行し始めました。もともと、「食べられるものの方が少ない」除去の塊のような食生活でしたので、実行するのは苦ではなく、逆に人間は本来乳製品や卵はあまり採らないほうがいいんだと知って、気がラクになりました。それが5月でした。

 

まずは、砂糖と果物と油抜きを実践。食物制限をしていても砂糖と果物は食べていたので、それを止めて雑穀を買い占め、私たち夫婦は玄米菜食・子供達は3分つき米菜食の食生活が始まりました。子供達が通う保育園は給食なのですが、園長先生と話し合い、息子達2人だけお弁当にしてもらいました。

 

6月に入ると、アトピーが悪化する梅雨時期に加え、好転現象が出始め、最も辛かったです。『マクロビオティックを実践しているから大丈夫!』と自分に言い聞かせながら、親子して深呼吸を心がけて、壁に奇麗な肌の写真を貼って快復をイメージし、昨年は掻き毟るので着られなかった半袖・半ズボンの洋服を買いに行き『絶対今年の夏は半袖・半ズボンを着ようね!』と目標を立てました。

長男の体は全身真っ赤になり滲出液も出始めたので、6月11日には、ステロイドを出さない方針の皮膚科医も、さすがにステロイド外用剤と抗生物質を処方。この日から1週間だけステロイドを使いました。(ステロイドの使用は、これ1度きりでした。)しかし、子供たち2人とも、ほぼ毎日大きな便りがスムーズに出るようになりました。

私は、6月中は、口の中が口内炎だらけでした。これも好転現象だったと思います。最初は、子供のいない所でたまに甘いものを食べていた私も「子供が頑張っているんだから!」と食べるのを止めました。

 

7月まで長男のアトピーの炎症は続き、次男も気管支喘息の症状が出るものの、8月上旬には2人とも良くなってきました。信じられない位、アトピーの炎症が引いて、8月22日に念願だった半袖・半ズボンを着て1日過ごすことができました。掻き毟らない生活がこんなに素晴らしいなんて!と親子して喜び合いました。保育園の先生方からも『良かったね』と言ってもらえ、多くの人に支えられていたことを実感しました。

そして、私の口内炎もピタリと治まったのが8月でした。

 

ギリギリの精神状態でアトピー地獄を乗り越えて、いろいろ振り返った時に『岡田先生に会ってみたい』という気持ちが強くなり、夫に相談したところ、快く『習っておいで』と言ってくれて9月に基礎科前期を申し込みました。先生とのメールのやり取りの中で、『これからは私も一緒ですから』と言ってくださった事に、夫婦して涙しました。
※1

 

《10月から教室がスタート》

10月は、家族全員の体調が安定していました。10月をもって、毎月通っていた次男の大学病院での健診が終了となり、除去していた大豆・小麦が食べられるようになりました。生後4ヶ月から飲んでいた薬も一切飲まなくてよくなりました。

私も、毎日「大きな便り」が出るのが習慣になり、精神面もかなり安定しました。そして、断乳を考えていたのですが、出産時より母乳が良く出るようになっていたので、断乳を延期しました。

圧力鍋で玄米、炊飯器で3分つき米を炊く習慣が定着し、レンコンボールや串揚げなど揚げ物のメニューも取り入れるようにしていきました。先生に、『これはアトピー鍋ともいうのよ』と言われ、すぐに同じ石鍋と土瓶を買い揃えました。2回目の教室で教わったゴマ塩は、教わった直後に夫婦で交互に30分すってみて、改めて食べ物が薬になることを学び合いました。※2

 

《11月》

3回目の教室の前日に長男が新型インフルエンザになり、教室には行かれませんでしたが、先生から『玄米スープでも玄米クリームでもどちらでもいいので飲ませるといい』と教えてもらい、家族全員で玄米クリームや自然療法を実践。第一大根湯・玄米スープ・しいたけスープ・塩番茶のうがい・こんにゃく温罨法などいろいろやってみて、体が温まるのに感動しました。長男のインフルエンザの熱は1日半で下がり、結局家族の誰にも移りませんでした。

 

《12月》

保育園でクリスマスパーティがあり、ケーキやお菓子を食べた夜、長男に喘息症状が出て翌日小児科へ。「クリスマスケーキは作り溜めをするから、トランス脂肪酸が使われており、添加物などが原因で発作が出たのかもしれない」と言われ、その後玄米クリームで毒出しに励み、レンコン汁を続けて飲ませて、症状は治まりました。

私も、忘年会続きで食が乱れ、風邪症状が出始めたので、初めてプチ断食を実行してみました。初めて「目を閉じて自分が今何を欲しているかを体に聞いてみる」(※3)ことをやってみました。大きな便りと、めまいや吐き気という排毒症状が出ましたが、その後は体が非常に軽くなりました。子育てをする上で体が軽いという事は、本当に有り難いことです。

 

《1月》

恭子式マクロビオティックを紹介してくれた人とゆっくり話す機会があり、その方から『私は100人くらいの人に岡田先生の本を渡して紹介したけど、ちゃんと実行して、教室に通うようになったのはあなただけよ。』と言われて、周りに感謝することはもちろん、最終的に素直だった自分を褒めました。※4

自分が恭子式マクロビオティックを実践して心の底から良かったと思えたので、その思いを伝えた先の、私の両親や夫の両親、友人達が恭子式マクロビオティックを実践し始め、『おいしい!』と喜んでいます。息子のアトピーにしか目が行かなかった自分が、「隣の人が笑顔になること」※5「分かち合うこと」の大切さに気がついてきたように思います。

 

《2月》

2月からは芽吹く時期なので、人間も緊張状態が緩みアレルギー症状が出やすくなります。昨年の日記を読むと、2月時点で抗アレルギー剤を処方され、掻き毟りがひどかった子供達が今年は所々痒がる位で、毎日元気に過ごしています。皮膚科にも、もう半年行っていません。

今では、教室の後に、夫と恭子式マクロビオティックの「下ろし会(情報共有の時間)」をやるのが日課です。大学で哲学を勉強してきた主人は、マクロビオティックがすんなり自分の中に入っていったようです。これからは、互いにもっと知識が知恵に変わればと思います。

 

《一番印象に残った講義》

先生が【龍の子太郎】の話をされた時、自分の今までの行い、過ちがフラッシュバックのように頭をよぎりました。まさに岩魚を3匹食べて龍になった母親が私で、息子が太郎ではないかと思いました。この講義を受けたのも必然なのか、「龍の子太郎」を短縮すると長男の名前である「龍太」となります。私が、食生活だけでなく生き方そのものの良し悪しが見えなくなっていた時に、息子は私の目の代わりとなって、人間らしい生き方をナビゲートしてくれ、先生に出会わせてくれました。先生は、本気で叱ってくれます。叱るということは、相手を本気で想う愛情がなくては出来ないことで、先生の一言一言で私は目が覚めていきました。本には書かれていない行間の想いをたくさん受け取った半年だったと思います。本当にありがとうございました。後期もよろしくお願いいたします。


 恭子から一言
 ※1 本当に、よくお一人で、ここまでの好転反応をのりきったと、私も涙しました。

※2 ご夫婦で、協力できた家庭環境こそ、健康を掴んだ第一条件です。

※3 マクロビオティックを実行して身体がきれいになってくると、その時必要なものを身体に聞くと、答えてくれるようになります。例えば、陽性の梅生番茶を必要としているか、陰性の林檎ジュースを必要としているか、を、自分の身体と問答をしてみるのです。感性が研ぎ澄まされるので、目をつぶると良いです。目をつぶって「今、何が欲しい?」と自分の身体さんに聞いてみるのです。すると、答えてくれます。「梅生番茶がいい」とか…

※4 私は授業の中でよく、誰もほめてはくれないから、自分でほめようね!といいます。

※5 世界に愛を!? などという大上段に振りかぶった「愛」ではなくていいのです。世に役立つ自分、というのは、ちょっと隣の人を笑顔にする、ことなのです。特に、隣の人の一番身近は、自分の家族です。


彼女へ送った私のメールです。

壮絶なレポート、ありがとうございました。
他の方への、とても参考になるレポートだと思って、感謝! です。
 
涙して読ませていただきました。
いいお連れ合いでお仕合せですね。
半袖半ズボンがはけることで、こんなにもしあわせ観を得られると言うのが、私達に「しあわせ」ってなんだっけ、と感じさせていただけます。
 
写真もありがとうございました。(ひどいアトピー時代と治ってきれいになったお顔と身体の写真)
 
こうしたことも、お子様達のアトピーのおかげですね。
病は学ぶもの…